このレビューはネタバレを含みます▼
1回目読み終えた時、ストーカーについて「?」が消えず2回目読んで理解しました。怪し過ぎるあの部屋のシーンと、ちょいちょい挟まれる革靴のカット。もっさりした痴漢男が履くような靴とは思えなかった為、何とか里見の足元が見られないかと探していたら噴水のシーンで見つけた。後に力良があの写真を見て自分をつきまとっているのが痴漢男だと気付き、自分がここにいたら里見にも迷惑をかけるという理由で部屋を飛び出していたという事実に私は驚きました。写真を見つけた直後逃げ帰る力良&超ヤバい顔の里見、どう見たってこれ…。これは騙されるのも無理ない(よね?)
とまぁこの検証にやたら時間を割いてしまったのですが(私だけ?)、先生が一番伝えたかったのはここじゃないですよね。
本作は辛い過去を持つ里見を天真爛漫な力良が救う話です。ガラス玉のようだった里見の瞳に生気を与え、2人で同じ景色を眺めるまでの話。
嵐の後の眩しいまでの空、ピーコが飛ぶ空、2人の希望の空…。青い空がカラーで見ると特に綺麗。表紙なんて抜群。とても感動的だからこそ、もっと感動できたはずだ…と欲が出てしまうのですかね。
痴漢、ストーカー、大学の研究、虐/待、刺青…興味深い設定が盛りだくさんの中1冊にまとめているので、それぞれがあっさりで、全体的に散漫な印象を持ってしまうのだと思います。特に里見の生い立ちはあれだけで済ますのはもったいない。それと里見が力良を好きになったきっかけも弱過ぎのような。何冊かに分けてもいいから掘り下げたものが読みたかったです。ノノノ先生なら絶対面白くなったはず。
夢と希望をいっぱい抱えていて一途に研究へ情熱を注ぐ力良の描写はとてもよかった。だからこそ余計里見のことも同じくらい知れればラストの空はもっともっと感動したと思います!
それとこれは本筋に関係ないかも知れないけど力良の両親が気になりました。
あと彫師。小さい子どもの将来をめちゃくちゃにするようなことをした彫り物が、鳳凰。その象徴の意味を知ると何て皮肉な…と同時に彼についてももしかしたら一冊描けたんじゃないかとか。勝手にどんどん空想が膨らんでしまう。
続きが欲しいというより途中もう少し欲しかった!このラストには全く不満はありません。