身分差に終わった恋を、今さらですが。
」のレビュー

身分差に終わった恋を、今さらですが。

渡鍋ぽんず/STUDIO ZOON

ああ…ロマンチック♡

2026年5月20日
ヒロインは王女なのですが、飾らないというか、率直な人柄。まだ年端のいかない時から、お転婆さんです。その王女を守っていた元護衛騎士との恋物語。

ヒロインは政略結婚で隣国の王子に嫁ぎますが、この王子が奔放なタイプ。何人いるか数え切れないくらいの女性達との恋愛遍歴。複数人と同時に関係を持って平気なタイプ。ヒロインは笑顔で実質切り捨てます。

さらにその母親(王妃)は望ましいとは思っていなさそうなものの、息子を矯正する気はまるでなく。これは話しにならないと今度は実家を頼りますが、これまた順応することを暗に求めてきます。孤立無援なヒロインですが、体調不良を理由に閨を断り続けたかの様な描写があります。

王子も特に深追いしないで白い結婚?のまま10年。ヒロインは王太子妃としての職務は立派に果たし、民衆の為に働いています。しかし両国を繋ぐ水路の式典で暗殺され、行方不明に。実際はケガをしましたが無事に母国に戻り、平民になり済まして酒場で働きます。そこへ訪ねてきたのが、ヒロインの元護衛騎士。

ヒロインも淡い恋心を抱いていたようですが、おそらく年上である護衛騎士の方はもっと重く想っていた様子。ほとんど口をきかない寡黙で無表情な騎士ですが、秘めた想いは熱情で…。身分差ゆえに互いに伝えることもなく、自ら断った恋でしたが、騎士の中では消える事なく、10年の月日で出世し騎士団長までになりますが、独身を貫いたようで。

そして行方不明だとされる王女を見つけて、二度と手放すまいと決意します。物語はヒロインペースで進むため、手に入れた自由を失うまいと、白をきり通す態度が、面白可笑しくギャグ調ですが、騎士の方は静かにメラメラ燃える情熱で、迷いなく突き進んできます。

表面はいたって淡々としていますが、絶対に逃さないという強い決意が漂って、それが何とも男らしく、雄み溢れる魅力。

ヒロインは自由を謳歌したく、簡単になびきそうにないですが、選択肢を与え、無理じいしないにも関わらず、じりじり距離を詰めてくるであろう本気の男を振り切れるか??

個人的にはポンコツヒロインを庇う酒場の主人の優しさに泣かされました。見た目はおじさんですが、こういう男らしさも素敵です。それから、のらくら言い逃れたであろうヒロインを、そのままにしておいたクズ王子の鷹揚さも結構好きです。苛烈な悪役はいません。そこがまたいいです。
いいねしたユーザ233人
無料会員登録でもっと見る
レビューをシェアしよう!