このレビューはネタバレを含みます▼
ウノハナ先生の作品は、初っ端からドラマティックな展開で心を鷲掴みにされるのですが、本作品の序盤もなかなか過激でドラマティックです。
主人公は、風俗ルポライターの九谷。
さまざまな風俗を経験し記事を書いていた百戦錬磨の九谷が、初めてゲイ風俗に足を踏み入れるところから物語は始まります。
男相手にたつのか心配していた九谷でしたが、店のNo.1ボーイ、ヒロムの魅力にやられて最短完たち(笑)
そして、女性誌の企画で期間限定のルームシェアをすることになった九谷が待ち合わせ場所に行くと、そこにいたのは偶然にもヒロムで⋯
営業の時とは打って変わって無愛想なヒロムに、最初は戸惑うものの、徐々に素のヒロムも気になりだす九谷。
九谷に素っ気なく振る舞いながらも、九谷にキスをしたり行動に一貫性がないヒロム。
今の生活にも自分にも肯定感を抱けず、どこか不本意な気持ちのまま不器用に生きてきた2人が、心を通わせるうちに少しずつ変化していきます。
社会派ライターを目指しながら、食べていくため風俗ライターもしている九谷にもシンパシーを感じますが、それ以上に切なくなってしまうのは、ヒロムの境遇。
一度は手にした成功。
でも裏切りにあって、借金を返すために始めた風俗の仕事。
初めは客を見下していたヒロムが、いつしか客から求められることに精神的充足を得て、そこに自分の居場所を見つけてしまう。
なんともやるせません。
しかし、九谷と出会ったことで、ヒロムは自分の想いを大切にすることができるようになっていきます。
そんな時、突然ヒロムに訪れた危機。
クライムサスペンス的な展開を見せながらも、その中でさらに輝きを増す純愛。
ちょっぴり切なくて、でも温かい、ウノハナ先生らしい大人の恋が堪能できる作品ですので、興味を持たれた方はぜひともご覧下さい!
個人的には、九谷やヒロムと同じように、今の自分を不本意に思いストレスを溜めこんでいた沢木にも、ささやかな(あんなことしたのだから大きなとは言えない笑)幸あれと願うばかりです。