死ぬ覚悟で人食い魔王の森に入ります
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死ぬ覚悟で人食い魔王の森に入ります

中原一也/笠井あゆみ

心優しく繊細でシャイな魔王様

ネタバレ
2026年6月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 面白かった。魔王の住まう不可侵の森に、王妃様を救うための薬草を取りに向かう受け。森へ行くと立候補し、その代わりに王宮が破棄する余った薬草を貧しい人達に下げ渡して欲しいと願い出る受け。いつも貧しい人達にも医療をと奉仕する心意気が尊い人だ。そんな受けだからこそ森で出会った魔王の本当の人柄に気付くことができたのだろう。人間に育てられて魔族なのに心を持っている攻めは人間を食べず怖がらせず静かに森に引きこもって暮らしている。何百年もマトモに人間と会話していないので、初めは無口でおぼつかない会話なのが愛らしい。そして受けを怖がらせないためにことある事に「人間は食べない」と教えてくれる魔王様。そして自分の顔が醜く人間を怯えさせると思っていて、いつも仮面で顔を隠している魔王様。ありがとうと言われただけで耳を赤くして照れている魔王様。寂しくて切ない優しい魔王様を受けは愛さずにはいられない。「また来ますね」と言った受けを見送って、本当に来るのだろうか、いつ来るのだろうか、もう二度と来ないのではないだろうか、と初めて知る感情に胸を痛める魔王様のシーンが切なくて好き。魔王様の本当の姿をみんなに知って貰おうと提案した時の「人間は、森を壊す」という言葉が胸に刺さる。人が踏み入らない不可侵の森だからこそ豊かなのだと、森を守るためにも一人恐れられて暮らし続けている魔王様。人の欲深さと愚かさを知っているので、この平和もいつか壊されるのではという不安感。何となくナウシカを思い出す。その後の展開もこれだから人間は嫌だね!となるが王様が為政者として良き人だったのが救い。
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