愛しの嘘つきくん【単行本版】
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愛しの嘘つきくん【単行本版】

someco

作品が違えば人とか殺してそうな攻め

ネタバレ
2026年6月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 一見すると軽薄で、どこか掴みどころのない“嘘つきな攻め”は、言葉だけ切り取れば到底信用できないはずなのに、そのひとつ一つの行動が妙に誠実で、だからこそ冗談や軽口すら本音のように思えてきてしまいます。受けも「はいはい、また言ってるよ」と呆れながらも、心のどこかでは、その【嘘の中にあるかもしれない彼の本心】を知らず知らずのうちに汲み取りたくなってしまう。そんな彼と送る日常に振り回されているようでいて、実はその関係性の檻に自らも明確な意思を持って踏み込んだ受けもまた、この物語の中では“嘘つきな受け”として描かれています。この作品の魅力は、恋の証明が「言葉」ではなく「揺らぎ」で表現されているところにあると思いました。信じていいのか分からないのに信じたくなる攻めと、逃げられるのに逃げることはない受け。お互いにあるその不安定さこそが、単に危ういだけでなく、作品全体の魅力として成立しています。営みシーンはかなり濃厚ですが、そういった描写がなくともふたりの今後の進展が気になって仕方ありません。僭越ながら、このように自分本位な考察ができてしまうのも、作品の中ではまだまだ見えない余白を残してくれているからかもしれません。タイトルにも書いたけど、静音ナード系である攻めの不穏な雰囲気は、もし仮に少年漫画で登場したなら、簡単に人とか殺してそうな感じがしてとても癖に刺さりました。
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