身分差に終わった恋を、今さらですが。
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身分差に終わった恋を、今さらですが。

渡鍋ぽんず/STUDIO ZOON

こんな漫画を待っていた

ネタバレ
2026年6月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 元気なお姫様オリヴィアと、彼女を慕うクールでハンサムな騎士ギルベルトの10年越しの恋物語。切なさと明るさの絶妙なバランスが素晴らしく、巧みなストーリー展開に感心します。

予想を上回るスピード感と緊迫感、二人の思い出や小物を使ったシーンに、作者の力量を感じます。コマの大きさが感情の強さや威圧感を表し、小さな効果音でさえ意味がある。大きな声は強烈な想いを感じさせ、側で見ているような臨場感があります。そして特に注目したいのが手の描写です。言葉にできない想いを豊かに代弁し、権力者の傲慢さを象徴するなど、非常に効果的に使われています。また赤い色の使い方も上手い

二人のキャラが本当に魅力的。嫁ぎ先で不誠実な夫にうんざりしていたオリヴィアが、自由になり生き生きとしている姿は、クスっと笑いたくなるようなコミカルさがあります。お転婆姫の本領発揮ですね。また彼女がギルベルトを守る姿はスカッとします

ギルベルトの恋心を描写する場面は秀逸で、心を打たれます。オリヴィアに届かなかった彼の手と想い。その時の切なさ無力感を、彼は10年抱き続けます。オリヴィアの理想の家を用意しちゃうなんてよっぽどですよ。オリヴィアに子がないので、いつか離縁され国に戻るかもしれないと期待したのでしょうか。そこに「オリヴィア事故」の報が届きます。必死に探すも見つけられなかった彼の絶望感はいかばかりか。ところが彼女は生きていて、手の届くところにいた。彼はもうためらいません。大切な宝物のように彼女を抱きしめ、守ります。それがもうカッコよくて心臓わしづかみにされました

その他の登場人物として興味深いのが夫陛下です。彼は女癖が悪く、オリヴィアにとても執着しているように見えます。ギルベルトのところに直接来るあたり、感が良く手強い相手に見えます。あと女王陛下も気になります。女王という立場ゆえにかつて二人の障壁になりましたが、娘を愛する母でもある。今回彼女はどう決断するのでしょう

とにかくピンチは続きます。夫陛下をどう撃退し一巻最初の告白場面にたどり着くのでしょう。いつオリヴィアは自ら手をギルベルトに差し出し、彼女のただ一人の男として彼がその手を取るのでしょう。知りたいことだらけです。今後作者様は、私たち読者の心を激しく揺さぶるエピソードをお話に盛りこんでくるはず。こんな漫画を待っていました。次のお話が本当に楽しみです
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