雛鳥は汐風にまどろむ【SS付き電子限定版】
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雛鳥は汐風にまどろむ【SS付き電子限定版】

南月ゆう

苦しくて優しくてウルッとする

ネタバレ
2026年7月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 久しぶりに再読。
内容をあんまり覚えていなかったから印象薄い作品だったのかなと期待せずに読み始めたけど良かった。

両親と姉を交通事故で亡くし姉の息子・歩を引き取って異動と共に海のある町に引っ越してきた勇一。そこで元ホストのお惣菜屋さん・陵と出会うというお話。
大切な人を失ったばかりなのにお互い遠慮があって素直に悲しめないし気持ちも伝えられない勇一と歩が見ていて苦しくなる。「この人まで失いたくない」と思うからこそ我儘になれないのだし、親戚といえども今までずっと一緒にいた訳じゃないのだから簡単にはさらけ出せないのもわかる。
その点、陵は他人だからこそかえって本音が言えたんじゃないかな。
歩と少し境遇が似ている陵、でも陵が欲しくても手に入れられなかったものを持っている歩。今までは他人のものを欲しがりながらも矛盾を抱えていた陵だけど、勇一と歩と出会って奪うんじゃなくて共に生きていく、そう思えたことで救われたんじゃないかな。
出会えたことでお互いが救われた、そんな素敵な関係性だと思いました。
一緒にいるうちに取り繕わなくなって、歩と兄弟というかライバルみたいな子供っぽい陵が可愛い。
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