「薬屋のひとりごと
」のレビュー

薬屋のひとりごと

日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス)/ねこクラゲ/七緒一綺/しのとうこ

謎解きの先にある人間ドラマ

ネタバレ
2026年9月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 猫猫は、薬の材料や毒に対する興味と知識が並外れていて、その好奇心と知識がきっかけとなり、宮中で起こるさまざまな問題に巻き込まれていきます。

薬や毒の知識を駆使して謎を紐解いていく展開がとにかく面白く、宮中という閉ざされた場所ならではの思惑や人間関係も絡み合うため、先の展開が気になってどんどん読み進めたくなります。

そして魅力的なのは、サスペンスだけではないところ。

猫猫自身の生い立ちや宮中で築かれていく人間関係、さらに宦官である壬氏の秘密も少しずつ明かされていき、物語にどんどん深みが増していきます。

壬氏はなかなかクセの強いキャラクターなのに、お姿はお耽美で、そのギャップにもグッとくる……!

猫猫との距離がなかなか縮まらないのも、もどかしくてたまりません。でも、このじれったい関係性が物語のいいアクセントになっていて、二人のやり取りも楽しみのひとつ。

淡々としていて飄々としている猫猫と、そんな彼女に振り回されながらも何かと関わってくる壬氏。二人の関係がどう変化していくのかも気になるところです。

謎解きの面白さに加え、猫猫の生い立ちや宮中の人々の思惑、人間関係の機微まで丁寧に描かれていて、ヒューマンストーリーにほんのり恋愛要素も混ざった、非常に読み応えのある作品。

薬と毒をめぐる事件から始まり、少しずつ登場人物たちの背景が見えてくることで、物語そのものにどんどん引き込まれていきます。
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