どうしても触れたくない
」のレビュー

どうしても触れたくない

ヨネダコウ

ごめんなさい。…言うほど…かな。

ネタバレ
2015年12月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 何度かタイトルを見掛けていたけどお試しで絵があまり響いて来ないので長らく放置していました。
高評価に映画化に、読んで損はないだろうと今回は休み中で時間もあり迷わずお買い上げ。

…うーん…?
『このレベルなら他にもゴロゴロ』埋もれてます。

これはあくまで好みの問題かも知れませんがメリハリが無い。心の繊細な機微を描いているのは流石です。しかしそれ故でしょうか?感動の針の振り幅が小さく共鳴して来ない。私が鈍感なのでしょうかね。
BLの一番本質的なテーマをストレートに扱っていていかにもメンタル重視に見えて納得はさせやすいし初心者も入りやすいかなとは思います。だからこそ、いかにも『薄っぺらくないを主張している』感が否めません。
基本を大切にしている感じは嫌いではありませんが、私には『言うほど…かな。』と。
高評価故に期待し過ぎ辛口になって凄く申し訳ないのですが『このレベルなら他にもゴロゴロ』かと。

葛藤、相手を想うが故の自己防衛との倒錯、背負うもの、過去の呪縛、インモラルを自覚し踏み出せない心理、全てがBLに於いて基本的過ぎるからでしょうか今一つ惹かれない。基本的要素に基本的リーマン設定。全てが基本なのでアクセントが無い。縮こまっている。
Hについては何回かありますがくどくなく、さらりとしています。大切なエッセンスだけどこれはメインじゃないよと…そんな意図を感じます。
お花畑BLな感じは一切なく、リアルな男性同士を思わせる堪え喘ぎ気味な描写です。

全体的にフランス映画の湿度とフラットさを感じる仕上がりかと私は思います。アメリカ映画の様なダイレクトに胸に来る賑やかさはありません。
甘さ控え目です。

…冒頭のシーン、よりベターな形で生かしきれてないと思うのは私だけか。

何はともあれハピエンで良かった。これから先の未来もきっと同じ葛藤や悩みは訪れるだろう、何度も何度も。けどきっと乗り切って幸せであって欲しいです。
そう思わせてくれるからやはり流石なのかも知れない。
スピンオフがあるらしいので食わず嫌いをせずに読んでみます。

◎絵…☆☆☆
◎キャラ…☆☆☆感情移入は出来ませんが攻めの大らかさと受の葛藤はとても理解できました。個人的に脇キャラ小野田さん良かったです。
◎話…☆☆☆
◎Hの傾向…控え目表現で数回。お花畑BLの軽さはなく、リアルを追究した感じ。
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