ファインダーの標的
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ファインダーの標的

やまねあやの

1巻だけ読むと評価下がる。

2016年5月8日
180ページ、表題作2話+短編3作+最後に本編オマケ描き下ろし。
つまり、半分以上が表題作ではない。
本編のタイトルに統一性がないので、目次だけ見ると短編と本編の区別がつかない。
長編でとっとと先に進みたいのに(もしかしたら本編に関係する話が後にあるかも?と)どうでもいい短編を読む焦れったさと、本編こんだけしかないの? というガッカリに軽いストレスがあるのが1巻。
2巻以降は短編も減り、読みやすくなります。

電子発行はだいぶ後で1話目の雑誌掲載は2001年。
初期は1話ずつ完結のある短編の連作形式。次作との時間も開いているので、長期連載の予定ではなかったのかも?
そういう状況を踏まえると、こんだけ余計な?短編が一緒なのも納得。
読みすすめる程に登場人物の関係性が深まり、主人公達の気持ちや態度に変化があるので面白さも増し、1冊読んだ満足感も倍加していきます。
試しでの1巻買いは勧めません。
無料で数話分収録のぞきみファインダーがあるので、それ読んで決めると良いです。
買うなら数巻、全巻まとめ買いの覚悟で。

短編は新入生、父子2世代の同級生、特殊能力のお話。
中身の薄い印象だけど、最後の特殊能力は設定もキャラも面白くて良かった。1話だけで惜しい。
2世代同級生はその後の巻で何回か続編があるので、次第に楽しくなります。

(全巻読んで余談)
数巻読んで飛龍とキャラ被るバナナフィッシュを思い出して、ふと感じた。
BLだからか、恋愛抜きの部分の基本ストーリーが弱いかな〜。
裏社会シリアスなのに、オイ!ここでそんなアホな軽率な展開言動いかんだろ?
とツッコミ入れたくなるところが有る。
BLに良くある数巻程度の連載だと、背景のストーリー設定が浅いので、そういう弱さを感じ難い。
オトナ向けL系ジャンル長編連載の難しさなのかも。

とは言え本作、長編好きの私としては読み進める程に楽しくなり、次巻発行を楽しみにしてます。

(さらについでの余談ですが)
ちなみにバナナフィッシュも絡みは実は全部男同士。
少女漫画だから詳細シーンないけど、ほぼBL(笑)
恋愛ほどの展開ないけど、それでもラストはすごく切ない。
絡みないストーリー重視を好む方には、一読まじオススメ。
長編で巻数多いけど、それだけの読み応えはあります。

昔の少女漫画の名作には、BLぽいの多いと気づいた。
少女が脇役(以下)。
日出処の天子とか。
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