作者側の独りよがりで終わったデビュー作





しかも、夜叉一族を離れて一私人となったはずの、夜叉王の弟の羅刹とその妻まで。
更に他にも、なぜあんなにもあっさりと、阿修羅のいい兄貴分とでもいう感じだった龍王が、仲間であるはずの阿修羅に、殺されなければならなかったのか?とか。
更に龍王も龍王で、それを恨むでもなく、それを何であんなに素直に受け入れて、死んでいけるのか?とかいう感じで。本当にそれこそ、敵味方も関係ない、ただならない死亡率の高さですからね。
とにかく、このように、大量かつほぼ無意味な感じに、非業の死を遂げる人々ばかりで、物語が終わって感じたのは、ただただ、ひたすら残る虚無感ばかり。
特に物語にとって、格好のキーパーソンになり得たかもしれない、天王の存在は一体何だったのか?おそらく、これがデビュー作ということもあり、彼の存在も、生かしきれなかったのだと思われますが。彼って絶好のキーパーソン的ポジションだというのに。
父親が敵同士である、阿修羅の異父弟という。おそらく、その内天王は、兄の阿修羅の天界破壊を止めようとかして、説得を試みたりしていたのではないかと思うのですが。
彼も以前から、どうも不遇な兄がいることは、常に気にかけていたようですし。
また阿修羅の方にも、何かと複雑な思いがあったのではないかと思われる、天王に対する気持ちも、とうとう掘り下げられないまま、終わってしまいましたし。
そしてとにかく、阿修羅と夜叉王の二人さえ生き残りゃいいのよ的な終わり方には、どうも納得いかない思いばかりが、残りました。
それに阿修羅が男でも女でもないので、阿修羅と夜叉王との関係は恋人でもないし、一体どう捉えていいのか?という感じの二人の関係も、私は最後までどうもすんなりと受け入れられないままで、終わってしまいましたし。
一切、色恋などの感情さえも絡まない、全くの純粋な愛とでも、したかったのでしょうか?
どうも、最後まで作者側の意図や展開の必然性などが、理解しきれない所が多かったです。
結局往々にして、作者側の独りよがりになってしまった所がある作品に思えました。
壮大に見えて、ほとんど中身はなしみたいな。

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