闇の果てから
」のレビュー

闇の果てから

津雲むつみ

軽い気持ちでは読めませんが

ネタバレ
2016年12月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 登場人物の心理描写が丁寧で、軽く誤魔化したり妥協せずに描かれているしっかりした作品でした。
多少時代を感じさせる部分もありますが、こういう問題自体は時代関係無く今も起こり得る事ですから色々考えさせられます。
主人公や被害者側だけでなく加害者の描写も多く、変質者性犯罪者の心理にはぞっとします。
実際に知りえる事は無いのですが、良い意味でも悪い意味でもリアルだと感じました。
本当はもっとえげつない実態があるとは思いますが、ライトになりすぎないように漫画にされています。

ただちょっと思ったのは、結論?として最終的にあった表現で、こういう加害者の犯した罪について「本人の意志ではなくそうさせられる闇」みたいな、別のものにそうさせられたみたいな解釈がされかねない表現がされている事が気になりました。
こんな犯罪を犯すのは100%本人の問題で責任逃れが許されていいものではないと思いますので。
何か切っ掛けとかトラウマがあったとしても、それを何も関係ない子供に向ける事は絶対に正当化されてはならないと思います。1万歩譲って気持ちを汲めるとしても、その原因に対して直接やり返した場合のみだと。
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