女王の花
」のレビュー

女王の花

和泉かねよし

一筋の闇が…

ネタバレ
2017年4月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 連載当初からずっと読んでました。コレしかないという最高の結末が、切なくも物語をいっそう深く厚くし、同時に一筋の深い闇を差し込みました。生死、主従、戦争…深いテーマを扱ってきただけに、終わり方を間違えればペラッペラな漫画に成り下がっていたでしょう。でも、例えペラッペラでもいいから、薄星は生かしてて欲しかった。例え報われない恋でも、身分違いで言葉すら交わせなくても、亜姫の近くで、ちゃんと生きてて欲しかった。薄星の死によって、亜姫の救いが「死」になってしまった。死ぬ事でしか、救われなくなってしまった。これ程の鬱はないです。事実、女王になった亜姫には表情がありません。王という孤独を、薄星という希望なく生きたのでしょう。先にも書いた通り、最高のエンディングであるのは間違いないです。でも決してハッピーエンドではなく、私には鬱エンドです。もちろん受け手次第ですが、私は気軽に読み返せなくなりました。薄星の死という一筋の闇が、常につきまとうからです。もちろん今でも大好きな漫画なので、これからも何度も読み返します。ただ、その時は相当の覚悟をもって読みます。
いいねしたユーザ4人
レビューをシェアしよう!