このレビューはネタバレを含みます▼
coldシリーズのスピンオフということで、少しでもその後の藤島さんと透が知りたくて手に取った作品でした。
が、あの楠田がまさかこんな事になっていようとは……。透の良き相談相手、ゲイではないけれど偏見もない、優しい楠田が。優しさ&優柔不断さゆえに流され、ほだされ、秋沢の毒牙に。in tokyo(1巻)ではまぁいい感じで終わったのですが、in New York(2巻)に大爆弾が仕掛けられていました。秋沢の通じなさ、言葉をつくしても何にも伝わらない、もうダメだコイツ。って思いました。思っていたら衝撃の事件が起きてしまいました……(泣)。読んでいて、楠田と同じく秋沢が怖くて怖くてたまらなくなりました。怖くて怖くて、でも読み進めるうちに、だんだん楠田と同じくほだされてしまうような気持ちに……。秋沢は中学生並の精神年齢しかないけれど、少しずつ少しずつ、なんで楠田が自分にそんなに怯えるのかを考えるようになります。考えるまでもなくわかりきったことなのに(怒)、秋沢にはわかりません。でも必死に考えてやっと自分がどんなに楠田を傷つけたのかを知り、ようやく愛情ゆえに離れる決意をした時には、なんでだろう、秋沢がかわいく思えてしまいました。今まで相手の気持ちなんか考えたこともなかったやつが、なんでだろう、どうしてだろうってひたすら考えるのが、おせぇよ!と思いつつ少し愛おしいというか……。いや、他の読者さんよりだいぶ甘めの意見だとは自分でもわかっています。でも楠田もあんなことをされてしまったのに、最後の最後で突き放せない、なぜならやっぱり秋沢がかわいいからではないかなぁと。楠田を前に、緊張のあまりどもりつつ必死に言葉を重ねる秋沢と、秋沢のことを怖いと思う気持ちが強いのに、それでも相対しようとする楠田。2人のこれからを、是非また本にして欲しいです!