囀る鳥は羽ばたかない
」のレビュー

囀る鳥は羽ばたかない

ヨネダコウ

凄いお話です!

ネタバレ
2017年12月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ ストーリー、心理描写、キャラクターの描き方、構図や作画全て秀逸な作家さんですが、特にこのお話は大好きです。

心に大きな傷を背負いながら異常な性癖に振り切れる事で心のバランスを取っている八代。痛々しいほど乱れた生き方をしなければ保てないほど深い傷を負っているのに、その痛みに引きこもる事なく自分の醜悪さを積極的に肯定している。そんな八代の強くて潔いい生き様に胸を打たれます。
そして自分もまた心に深い傷を負いながら八代とは真逆に振り切れている百目鬼との出会い。
どうしようもなく惹かれ合いながら、背負った傷の大きさ故に互いにその気持ちを認めることができない。そんな不器用な2人が本当に愛おしくて、救われ幸せになっていく事を願わずにはいられません。
傷ついた人間がその傷を背負いながらどう生きていくのか?どう救われていくのかという事をいろいろ考えさせられる深い内容のお話です。
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