In These Words
」のレビュー

In These Words

Guilt|Pleasure

構成力にやられた!

ネタバレ
2017年12月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 今のところ構成にしてやられた!って感じ。面白い。あれほどの陵 辱にも屈しない先生の強い精神力と、隠し切れていない優しさを見せる篠原さんの苦悩が心を締め付ける。抑えてきたキャラの印象がここでやっと生きてくるとは。

この話って1〜2巻は伏線は線ではなく点のまま回収するし、感情はないし、予想もそのままの事も多くて下手なミステリーを読まされている感がずっとあった。ショッキングな事がたくさん起こるのに冒頭の小説の意味深な内容の印象の方が強いから、浅くスッキリしない展開で。ミステリーとしてはダメでも(失礼)伏線を点で回収する展開は脱出ゲームに似た面白さがあって、そこと圧巻の画力で押し切るのかと思っていた。そしたら3巻で突然現れた新たな登場人物と会話するシーンが。鳥肌が立った。あの冒頭の小説のシーンが細かく次々と蘇る。なんだこの構成は!いや〜ビックリ。

あの小説って私にはわかりづらい文章で一度では頭に入らず何度も読まされたおかげでバッチリ記憶に残っていて。残念な翻訳なのかと思ったけど(失礼)あれも印象づけの手法なのかな。この小説部分でもその先の展開でも上に書いた様にいくつも不満を持ちながら読んでいたけど3巻を読みその不満こそこの本の魅力だったとは。私にはクセの強い展開なのに読み進めたのはあの圧巻の画力だとは思う。まだ核心部分はこれから。また数年待たされるんだろうな。今以上の驚きを見せて欲しいです。
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