おざわさん

少し不思議な世界観の、詩集のようなお話が詰まっています。
どれも独特の世界観で、BLとしては肌色率は全然低いのですが、それが逆に作品の持つ温度感ともあっていてよかったです。

まず名前が苗字なのか名前なのか、誰の事を指しているのか分かりません。これについては、編集さんももう少し改善策を講じてあげれば良いのに…としか言えませんが。作画も表情、背景ともにぼやんとしていて、生気がないという感じ。デビューされた方の作品とは申し訳ないのですが思えませんでした。

まずは作画が美麗です。色気もあるし、可愛さもあるその上丁寧な線画でまず引き込まれます。
お話も、定番からは少し変化球地味なので、流し読みすること無く読み込めました。
でも安心して下さい。エッチです。
ここでこう来るんだろうなってポイントは押えつつ、時に下品(というかスケベ)な構図で描かれています。
ふわふわ可愛いより、きっちり骨格勉強してますね！っていう絵柄がお好みの方はかって損なしと思われます。

と、同時にツンデレ受も完璧にフォローしています。
攻のワンコくんは物語冒頭ヘテロの筈なんですけど、なんの迷いも葛藤もなく受に惚れてしまうし、行為にも偏見がありません。…そこは少し｢？｣とならなくもないのですが、それをもってしても｢まぁ、この熱量で好きになっちゃったら全部どうでも良くなっちゃうのが恋かぁ…｣と読んでいるこちらが悟りを開けるようなそんな甘いお話です。
ガタイのいい、それでいて可愛い大型犬攻が好きな方、ちょっと拗らせたツンデレ美人が好きな方は絶対に買って損はありません。
絵柄は言わずもがなとても上手いです。骨に筋肉がきちんと乗っかっている、｢骨格が見える絵柄｣です。

ヤンキー君は肉体的にメガネ君に振り回され、メガネ君は精神的にヤンキー君に振り回されてます。
けれどお互いスイッチが入ると止まらない感じで、きっと壁もそんなに厚くないだろうにウフフな展開がドキドキしました。