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今月(5月1日~5月31日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • 当て馬の恋

    玉ぼん

    過不足のない満足感と爽快な読後感
    ネタバレ
    2025年2月26日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 片思いしてアタックして叶わなかった2人の話。
    ストーリーの緩急、起に出てきた花束(仏花)を結にも用いて話をきれいにまとめる構成力。軽妙な会話シーンが多い一方で男性向けならではの濃厚な描写。ぶっちゃけた会話に印象的に挟まる2人の手が大ゴマを使って描かれ、そこから2人の心理を読者に想像させる細やかさ。
    口ベタだけど真っ正直な先輩と口の減らない真っ正直な後輩の未来を感じさせるやりとりで終幕となるが、ここにも起に出てきたエピソードが練り込まれ、当て馬同士の「その先」を感じさせる。
    このページ数の中で無駄なところが一つもないのに詰め込み感が全くなく、読後感がとてもいい。
  • 花は淫獄へ堕ちずにすむか―転生脇役の奮闘―

    永久めぐる/天路ゆうつづ

    続編も読みたい
    ネタバレ
    2021年4月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ コミカライズ→Web版→小説版の順で読みました。
    Web版と小説版は展開が大きく違っていて、自分は小説版が好きです。
    Web版のヒーローはまさに「歪み病みまくった人物」ですが、その分ストーリー的には唐突感が否めない。

    一方、小説版では主人公の与り知らぬところでヒーローに外堀を埋められていく過程が丁寧に描かれています。
    ヒーローが主人公を手に入れるための計画性と実行力、自分だけで決めた期限やルールを振りかざす傲慢さ、病んだ本質を隠し通す自制心、彼自身が持つ孤独と主人公への渇望、それらを主人公の前で一気に曝け出す狂気が脅威をもって描かれ、彼の病み度の高さを窺わせます。

    Web版の番外編では、ヒーローに振り回されるばかりだった主人公が心を沿わせていく様子や、彼女の活発さや聡明さが発揮されるエピソードも描かれているので、小説版としてもぜひ読みたいです。2人がいなくなった後の学園、特にイザドラのその後が知りたい。

    それと、これは感想ではないのですが、モアレのせいで挿絵の繊細さが失われているのが惜しいです。電子書籍化に当たっての作業は出版社側が行うものだと推察しますが、挿絵にも気を配ってもらいたかった。この点はとても残念に思います。
  • 毒を喰らわば皿まで

    十河/斎賀時人

    美しいヴィランによる残忍な復讐劇
    ネタバレ
    2021年1月23日
    このレビューはネタバレを含みます▼ レンタルと並行して紙書籍で購入し、電子書籍も発売直後に迷わず購入しました。気の抜けない展開の連続で何度読んでも飽きません。
    乙女ゲームの悪役令嬢の父で王国宰相に転生した「俺」がプレイヤーとして持っているゲーム知識、ゲーム世界に生きる人物として積み上げてきた経験や慣習、知識などを総動員してヒロインに逆襲するという大筋で、「ざまぁ」ものとも言えるでしょう。
    攻略対象をヒロインから寝返らせる手腕の狡猾さ、ヒロインを追い落とす手口の悪辣さ、容赦のない「悪徳宰相」ぶりはいっそ気持ちがいい。
    その一方で、愛娘を復讐劇の共犯者、駒の一つとして扱いながらも愛情と信頼を注いで彼女を幸福に導く「父」としての優しさも見せる、極端な両面性を持つ「俺」の人物像に興味が湧きます。
    だからこそ、この「俺」を復讐劇に駆り立てたものが何だったのか知りたくなります。「ゲーム」のトゥルーエンドを迎えて復讐を終わりにもできたのに、輪廻までして完遂する、この執念はどこから来たのか。「俺」をこの世界に放り込んだ何者かへの反発か、アンドリムの矜持を貶めたことへの恨みか、愛娘が受けた屈辱に対する父としての怒りか、あるいはプレイヤーとしてゲームを自在に操り遊び尽くしてやろうという探究心か。その辺が読み解けるような続編があることを期待しています。
    この作品を知ったのは小説投稿サイトでの書籍発行の告知でしたが、見落とさなくてよかった。良作に出会えて満足です。
  • 悪役令嬢と鬼畜騎士

    猫田/旭炬

    読みづらい
    ネタバレ
    2020年12月13日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 表紙の美しさに惹かれ、レビューを見たら良さそうだったので読んでみましたが、残念ながら自分には合いませんでした。読みづらい。
    アイデアやキャラの関係性は悪くないです。重い展開は特にないので気楽に読めます。
    初恋こじらせて重い執着抱え込んだチート重装備したヒーローが、しっかり者で若干天然なハイスペック主人公(悪役令嬢)を溺愛し、主人公もそれを受容し甘やかす流れで物語が展開します。
    断罪後の悪役令嬢に現代人女性が転生し、状況を把握して愕然とするところから話が始まるのですが、これだけ主人公に偏執的に執着しているヒーローが、彼女の異変に全く気づくそぶりのないところが疑問です。変化していないのか、人格の上書きがうまくなされたのか。
    基本的に、現代人女性が転生した後の主人公の一人称一元視点で描かれていますが、それも作者の「こう考えさせたい、こう言わせたい」が強く出過ぎてて主人公が痛々しい子になってるのがもったいない。
    一人称視点の弊害で動作や情景に関する描写が乏しいので、場所や時間、会話しているのは誰かといった必要な情報が少なく、整理しつつ読まざるを得ないので非常に疲れます。
    続きは読みたいけど、読みづらさを我慢してまでとは思えません。