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今月(4月1日~4月30日)

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シーモア島
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投稿レビュー
  • ベイビーステップ

    勝木光

    リアルかつ堅実
    ネタバレ
    2023年1月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ まず、話の密度が濃い。

    本作は未完に終わったが、主人公が頑張って背伸びをしながら成長する姿が読んでいてとても素晴らしい。

    主人公は非常に理論的な、データを重視するスポーツプレイヤーだが、目だけは一級品であるという特技があった。
    作中では何度も「ノート」が彼の原動力と書かれているが、体力をつけ、データを頭に入れるだけでは結果はついてこない。つまり、その目が主人公を素人からプロテニスプレーヤーまで押し上げることになる。

    プレイ中は主人公のモノローグと語りが入る事で、主人公の中の膨大な情報処理を1プレーに圧縮している。それもまた本作の面白いところだ。
    スポーツ漫画にありがちな、「超高速で解説的な発話が入るお約束」が、モノローグで、しかもその「お約束」の範疇を遥かに超えた情報量で描かれている。

    胸焼けを起こす方もいるかもしれないが、全てを読むことによって、主人公が「今何をしたいのか」「今どのような状況に陥っているのか」がよくわかる。
    特に45.46.47巻におけるクリシュナ戦において、互いのストロングポイントが同じな分、これがよくわかるようになっている。

    重ねて書くが、未完である。
    しかしこの作品は、それでも読むに値する作品であるといえよう
  • フラチ

    裏筋侍

    日常に潜む非日常と背徳
    2023年1月8日
    この手の作品によくある導入と展開ではあるが、手早く済ませずに1巻全てを使って丹念に描いているところがよい。

    当然ながら話の流れはご都合主義的ではあるものの、なるべく不自然さを消した点や、そこに至るまでの主人公の心情は、漫画を小説化しようと試みる場合にいかに完成度が高いかを知らしめてくれる。

    行為に至ってからは非常に内容が濃密で、常識を逸脱しない程度にできうる限りのシチュエーションプレイを楽しむことができる。

    何より漫画のタッチが繊細で、細部に至るまで絵を描き切っている。
    更にコマ割りを大胆に使う事で、時間が経過している事を読者に読ませてくる。
    肝心な「抜けるか」という点では微妙なところだが、読後感がよく、また読みたいと思える作品である
  • 青のオーケストラ

    阿久井真

    やはり難しい。しかし。
    2023年1月8日
    音楽を漫画にする時、作者は音楽をかけることができないため、あるあると笑い、恋模様で作品を紡ぐ。
    題材にするのは音楽だが、本当のテーマは別にある、と言うふうに。

    しかしながら私はそれを否定したい。
    私は音楽の中でも壁が高く感じられてしまっているクラシックの敷居を下げる事を普段から強く念じている。

    ロックの要素と好まれ方はバロック時代に既にあった。
    つまり逆説的に、現代の誰もがクラシックを受容出来る要素を持ち合わせているのだ。

    それを体現したのが、本作のヒロインである。
    全くの素人が強豪校に入り、同じ活動を続ける事で感じる劣等感、焦燥感は計り知れないものだろう。

    だが、本当に恐ろしいのは経験者である。
    できるというある程度の自信を持って参加した団体が化け物の集まりだった、という構図は、プロ野球選手が名門校に入った時のことを回想する際によく見られる。
    こちらの葛藤は、もう一人のヒロインの中で芽生えている。

    現在の段階で、ストーリー進行は若干遅滞傾向にある。
    これは世代交代に伴うキャラクターの顔出しが多分に含まれているからであるが、少々冗長気味になっているような印象を受ける。
    また、女性の方が多いであろうという一般的なイメージはその通りであり、実態としてオーケストラは女尊男卑的なグループが多い。
    ゆえにカップル成立はほとんどないのだが、本作はどうか。
    クラシック強豪校の活動という新しい試みは非常に今後の展開に期待したいところであるが、痴情のもつれによるストーリーの遅延だけはあってくれるなと願うほかない。
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  • ハリガネサービスACE

    荒達哉

    興味深い
    ネタバレ
    2023年1月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ バレーボールはテレビでも見ない。漫画も初めて触れたのが本作品だった。
    なるべくリアルに近い作品を求めてこの作品を手に取ったのだが、残念ながら本作品には超能力が備わっている登場人物がいる。
    現実の範囲を超えないかと聞かれれば、無理だと言わざるを得ない能力を指す。例えば、瞬時に物理演算を行うだとか、どんなスパイクも無音でレシーブするだとか、そう言うキャラクターがいるのである。

    本作は1プレー1プレーを非常に丁寧に描いている。
    時間にして20秒程度のプレーが1話分になっていることもある。
    選手のモノローグも長く、発話も言い切れる長さではない程の文字数だ。
    しかしそこにこだわりを感じる。
    これはスポーツ漫画の古くからある描き口ではあるが、スパイクや主人公のサーブにエフェクトをつけることで勢いを見せている。

    また、最新巻付近で主人公がいわゆるイメチェンをした。突然のキャラクターの変化に正直言って狼狽を禁じ得ないが、詰まるところ強くなるのであろう。
    キャラクターの見た目に頼るのか、スポーツを魅せるのか、本作はどちらに傾くのか注視したい。
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  • ダイヤのA act2

    寺嶋裕二

    高校野球といえば
    ネタバレ
    2023年1月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 高校野球漫画の金字塔を打ち立てたと言っていい作品。

    主人公が2年生になってから始まる本作は、前作で描かれていた「先輩たちに着いていけば大丈夫」という殻を破らせ、「俺がこのチームを背負う」というプレッシャーを自らに課すような成長を遂げさせた。

    これは当然、高校野球だけでなく学校で部活動を行なっていればどれにでも当てはまることであるが、強豪校の中心選手になるという重圧を描いているのも本作の魅力の一つだろう。

    また、投球フォームやバッティングフォームのときの表情が豊か。
    これは古い作品では見られなかったが、少し顔が不細工になるくらいの描写をしている点に、この作品のリアルさの追求が垣間見える。

    さらに本作は、他の野球漫画にありがちな「会話するほどの猶予がある150km/h」を、ちゃんと豪速球として描写する。
    強打者や豪速球、キレのある変化球など、“高校野球の範疇を超えない範囲で”当たり前に脅威であることを当たり前に表現してある。つまり「超能力」の描写がないのだ。死んだ兄弟が乗り移ったり、意図して三塁線上に打球を止めたり、ボールが消えたりしない。
    この当たり前が本作品を野球漫画としての完成度を高めていると言っても良いだろう。
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  • 無視せざるを得ぬ町…っ!

    まろん☆まろん

    目を瞑るべき点が多い
    ネタバレ
    2023年1月8日
    このレビューはネタバレを含みます▼ 絵自体に文句があるわけではないが、同人誌によく見る手法の「同じ絵を使って台詞と精子の有無のみ変更」というページの嵩増しがある。

    見開きでの絵が多いため電子版には不向きかとも思われるが、ご購読の際はその点も注意していただきたい。

    また、そのコンセプトから登場人物が多いが、それら全てに対して作者が愛情を持っていることは読み取れた。
    が、人物が多すぎて全裸になると誰が誰だかわからない。ハーレム状態の構図だと尚のこと分かりにくい。

    例えば教師とクラスメイトの見分け方について、スタイルで見ようとすると、複数人が口で奉仕する絵の中ではスタイルが隠れ、顔のみの描写になっているため、似ているキャラクターの判別が難しい。

    これはハーレム物でありがちな、そして悩みどころではあるのが、吹き出しがそのキャラクターから出ているわけではなく、少し離れた位置にあるため、密集している場合誰の発話なのかわからない。
    そのために脳内で音声補完を取りづらく、絵のみで楽しむような作品となっている。
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