バルちゃんさんがつけた評価
突然の恋。
葉介君はきっと、恋が得体の知れない何かに心が持って行かれる気がしてて、自分が恋に落ちる瞬...(続きを見る)
突然の恋。
葉介君はきっと、恋が得体の知れない何かに心が持って行かれる気がしてて、自分が恋に落ちる瞬間や恋の渦中に居る状態が馴染みがなくて一体どんなものなのか、どんな状態になっちゃうのか自分でも分からなくて理解出来ない何かが、とてつもなく怖かったんだろうね。だから結果的に先輩を振り回してるみたいな事になっちゃってて、端から見たらすごい分かりやすい行動してるのに(先輩が見透かしてるかに見えるけど)本人は「分からない」と恋に蓋をしてる。「友達じゃ駄目なのかな?」は先輩にとっては残酷な言葉、だけど葉介君にとっては「友達なら別れも振られる事も無い。相手の態度に振り回される自分もいない」だから、「友達ならずっと一緒に笑っていられるんじゃないか?」なんだよね。それってさ、もう恋、しちゃってんじゃん!なんだけどさ(笑)
でも、葉介君の気持ちや行動や言葉もすごいよく分かるんだよね。自分にはそんな気、全くなくて、突然の恋の風。よもや自分に吹いてくるとは予期もしてなかった所から突然に。
そして先輩。先輩の気持ちもよく分かる。多分、先輩も突然の恋の風だったに違いないんだから。
そこからの2人だから、すごくもどかしくて焦れったいけど、初恋の怖さやドキドキや何だか得体の知れない気持ちがあっちこっちから湧いては消える感じがすごくよく分かって伝わってきて、とにかくすごい良かった!です?
まあね、確かにね、先輩の変態発言も面白かったですけどもね。あれは照れ隠しみたいなもんだったのだと思うのですよ。何せ、葉介君があんなんですからね。時折、見せてくるシリアスな顔がすごく印象的で切なさがある。「冗談だよ、ごめんね」ってさ。本当は冗談なんかじゃないくせに。本気な事を見せちゃったらきっと、葉介君は逃げ出してしまうだろうと分かってたんだよね。先輩もヘラッとしてるように見えても実はやっぱり怖かったんだと思うのよね。
何かもう、「恋」ですねーあー…、ちなみに表題作にはエッチありません。キスも先輩がテンパっちゃった結果のフライングみたいなもんなので。
もうひとつの作品は、地味な割に命懸けみたいな恋の話。
私はやっぱり表題作がすごく良かった。続編は無いみたいだけど、あったら読みたかったですね。(閉じる)
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