romance2さんがつけた評価
星数が低め(3.7?)だったので、「理想的な婚約者」を読む為だけの積もりで読んだ。本作のスピンオフだ...(続きを見る)
星数が低め(3.7?)だったので、「理想的な婚約者」を読む為だけの積もりで読んだ。本作のスピンオフだというから。
子ども7人を二人で面倒見るのは大変だと思うし、HQで良かったと、逆算で胸撫で下ろすような展開した。
二人が妙に親しく近づき過ぎていってしまうシーンは、なかなか抗えない自然の摂理が働いているようで良かった。好意が芽生えるのは理屈ではないため、なんだかんだ彼に頼られて、彼の魅力に突っ張って突っ張って、でもピンチで本心の吐露。空中に愛を叫ぶベタな流れもいいが、調理シーン、各自の私邸シーンがなんといっても私的には見どころだった。こういうドタバタが肩が凝らなくていい。憎まれ口の叩き合いもいい。ふいに到来する彼の恋の自覚にも、キュンが走った。
氷の女王も一枚も二枚もうわてなところが楽しめた。
この鋭さと険しさ、それでいて意外なところに柔らかさしなやかさを持つ、冷悧なベロニカさんが「理想的な婚約者」では、同じ牧先生の手にかかったとは思えぬキャラで現れる。ビジュアルからして異なり、試読段階ではあるが、姉妹作品を同一漫画家によるコミカライズした意義は薄れたと思う。
「私は白鳥なの。一生に一羽とだけつがいになるの。」という言葉で2作品が繋がれている。しかしそれは、ヒロインを縛るものではない、という意味合い。過去のあるヒロインの結婚観というよりも、プレイボーイのニックに届けられるが如く。
絵の雰囲気が可愛らしいのに、時々ニックが男らしく見えてしまう、見せ方のマジックを牧先生の描かれる男子は持っている。キッチンでは弱っていたというのに。
さてこれで「一生治りそうもない癖」は治ったのかな。紳士は金髪(ブロンド)がお好き、から、紳士は栗色髪(本作は焦げ茶色髪と。ブルネット)がお好き、に「癖」そのものが変わるもの?
訳文の語かもしれないが、「嗜好」とかなら判る。言葉尻を捉えて申し訳ないが、まず癖は治らない語感があり、プレイボーイ返上感を損ねる。
109頁雨の中の二人、遠景で心模様も明瞭でないけれど、折角の上段ぶち抜きのひとコマで見せ場なのだから、まだもう少し、インパクトと内面のざわつき混じる両人の落ちつかなさ、欲しかった。
一方、育児ノイローゼの姉の「慢性の頭痛」の台詞は物語後半のエピソードのこともあり、胸がキリリとする。
もうひとつ、70頁、役員ではなく社員の方が違和感無いが?(閉じる)
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