本当はナディルの戴冠式まで連載が続けば良かったのですが、王家の血縁と歴史のパートが複雑なので説明部分でダレてしまったのが勿体なかった。ヒロインが何故命を狙われつつも大切にされているのかが判明する場面だったので抜かせないのは仕方がない。読んで
いて楽しい調理シーンやナディルとの絡みが無い場面が続くと連載では厳しいのかなとは思っていました。文章だと数ページで済むことが漫画だとその何倍もページ数を要する事もあるので。私が原作で感心したのは、作者がそれなりに料理やお菓子作りが出来ないと書けない文章だという事でした。主人公は異世界転生者でしたが前世を覚えておらず殺されかけた事でアルティリエとして生きてきた記憶を失って、前世の人格と記憶が表層に出た所から物語が始まります。美味しい料理とお菓子で命の安全を買おうと最初はやや打算的な行動もしますが、段々とアルティリエの頃から慕っていた歳の離れた夫への愛情が増していきます。前世を思い出した事で、夫とは精神年齢が釣り合っているので年の差もの苦手な方にも受け入れ易い作品だと思います。絵がとても綺麗で可愛いので、そこもおすすめ。
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