ヒーローニックの姉の気持ちが良く分からない。ただ子供を手放せというだけでは 引き下がらないかもしれないと思ったのか、毎年その成長ぶりを 健気に送り続けたのは子供を持てない事への辛さと罪悪感の表れか・・・。弟と関係を断ってほしいと希望しているのに解せない展開だ。それでも そのおかげで繋がっていられたヒロインメレディスにとっては嬉しかっただろう。娘キンバリーにとっては衝撃波が2度訪れるわけだけれど、大好きな伯父が父親だった事は逆に喜びだったと想像できる、何しろ恋に恋する年頃だから100%メリーの味方だもの。記憶の無いニック。女性の好みはそうそう変わらないので、それがきっかけとなって少しずつ、少しずつ 固く閉ざされた扉をノックすることとなる。この展開に無理が無く、 小出しにされる記憶の数々が、読み手にまで苦痛と、喜びを響かせてくる。特に、P59でニックが訳も分からずに涙を流すシーンは、心が震えた。そうだ、そうだよねと早く記憶を取り戻してほしいと 画面に向かって叫びたくなってしまった。でもね、結局記憶は戻らずじまいだけれど、友人を介することで真実が分かり、尚且つもう一度恋に落ちたことがハピエンとなるのにはリアルがそこにあって 一層引き込まれたのです。