「僕は君のいいなり」が良かったあがた愛先生の作品。割引になったので読んでみました。表題作の高校を卒業した生徒と先生のお話は、最初に「モイストヒーリング」で生徒視点のお話から始まり、「ピアスホールをあけるとき」で先生視点のお話と続きます。さらに「ファーストピアス」でその後の二人のお話が9ページ掲載されていて、二人を繋ぐピアスが効果的に使われています。「春の凪」「目を閉じて君に会う」と2作品とも高校生のお話ですが、特に「目を~」はとても切なくて、すごく胸に染みました。全体的に静かで、しっとりとした作品でした。描写はあっさりめで白抜きです。全て読んだ後、もう一度読み返したくなる、静かな余韻のある作品集でした。
「モイストヒーリング」
高校を卒業した甲斐は、担任だった先生にピアスをあけてもらう。それから二人は…。
「春の凪」
生徒会の佐倉は一年生の夏凪の噂をきいて…。
「目を閉じて君に会う」
転校生の西野の机にメッセージが書き込まれるようになり、二人はメッセージのやり取りを交わすようになった。そのメッセージの主は…。そうでなければ出会わなかった二人の切ないお話。
「ピアスホールをあけるとき」
クラスの生徒・甲斐に対する先生視点のお話。
「ファーストピアス」9ページ
その後の先生と甲斐のお話。
「あとがき」1ページ