思い出せないのなら 思い出さなくても良いのよ 事故から無事に生還してくれたのだから と言ってしまいたくなった。悲しく辛い現実を 記憶を取り戻したときにもう一度味わう地獄を目にしたくは無いというのは逃げだろうか?記憶が無い事はアイデンティティの欠落を意味しているのだから そうもいかないと理解はしても それで何とかなるのならそれでいいじゃないかと考えてしまった。辛いかどうかはさておいても、人は生活の中で色々と忘れている事はある。そういうものだと思うし必要な事(職業知識や生活知識)だけあればなんとかなるじゃないかと やっぱり逃げか…。物語は、事故で記憶を無くした元夫ヒーローマイケルと元妻ヒロインエイミーが、彼の記憶を取り戻すと同時に、辛かった過去をお互いの目線で熟考し復縁する物語だが、余りにも辛くて読んでいて応えた。誰のせいでもないけれど2人を襲った不幸はお互いの心を壊し、すれ違う過程には、妻を失いたくないという強い男としての役割をこなそうとするマイケルの気持ちが強く強く伝わって気の毒でならない。勿論、エイミーも愛し慈しんだのにもぎ取られる苦しみは、同じ女性として自分が身代わりになって構わないほどの痛みなのは強く強くそう思う。お互いの未来の為に 嘆きと痛みを分かち合うタイミングを ボタン1つ掛け違えただけのすれ違いで失ってしまったことに気付き嘆く様には、男女に関係なく悲しみを弱さとして見せ合う事は重要だと語ってくれている。そうできることこそが「愛」なのだと感じさせてくれた。