漫画としての面白さが十分にありながら、それ以上に根源的な問題を考えさせられる作品です。この物語には沢山の登場人物が出てきますが、ものの見方(価値観)が余りにも自分とはかけ離れていることもあって、最初は理解できませんでした。しかし、私の常識とか倫理観とか既成概念などは脇に置いておいて、とにかく彼らの筋の通し方を理解しようと努力した結果、私自身の世界の見え方に少しの変化がありました。同じものを見ているのに、これほどまでに違って見えるのだということが理解できたら、正義とは悪である、悪もまた正義であるということが腑に落ちました。私の判断自体は事実ではない。判断する前に、事実そのものを事実として捉えることができるようになりたいです。もちろん判断するということは生きていくうえで必要不可欠ではあるのですが、それが全てだと思い込んでしまうと本質を見失うと思いました。
24巻辺りでおおよその決着はついたかに見えましたが、なんかまたここから話が展開していくような気配がして、ここから第二部が始まるの!?って不安に思いましたが、26巻で完結だそうで安心しました。これ以上闇を掘り下げていったら色んな意味でマズいでしょうね。この物語はフィクションなので具体的なことは変えてあると思いますが、曹国良の言っていた「支配者達の最終目標」というのは、私たちの生きる世界のそれと当たらずも遠からずなのではないでしょうか。コロナ騒動もその一環なのかなぁと。エコって、そういう見方もあるんだなぁと目から鱗が落ちました。
どんなラストになるのか、26巻が今から楽しみです!!