後書きで「デビュー前に書いていた作品」とありましたが、面白かったしキャラも魅力的で自然とストーリーに引き込まれました。
インポで軽度アルコール依存症のダメリーマン柚木と幼少期に育児放棄され愛を知らないヤクザ四方のお話。
内容は時にシリアス時にハードボイルドで今の英田先生の片鱗を伺わせる作品となっています。
柚木と四方の関係は、恋愛というより兄弟愛とか親鳥と雛鳥みたいな関係に似ていて色気やイチャラブとは程遠いんですが、そこに一貫性があるのが逆によかったなと。金田が柚木に渡した手紙や牧師が2人に贈る言葉「コリント人への手紙第13章」が胸にジンときて感じ入りました。
ヨネダコウさんのイラスト、ヤクザとの相性がいいですね。四方の影ある表情から一転、沖縄での感情が少し垣間見れる表情にキュンときて幸せな気持ちになりました。