「愛はね、」の続編。引き続き愛の形を模索してそれぞれの答えを見つけます。社会の常識にとらわれて自分の中にある愛に目をそらし続けた俊一が、失いそうになって初めて自分がずっと持っていた愛が何であったかを認めます。望からの愛や許しを搾取し続けていた自分に気づいた俊一は、痛みと共に望と一緒に生きていく覚悟を固めます。物語を読んでいて、俊一の常識や弱さは誰もが持っていて、誰もがそれを抱えながら社会と折り合いをつけて生きているということに気付かされます。だから俊一の狡さも弱さも愛しい。許し続けることで自分の愛を抱える望の強さは、自分に深い傷を負いながら得た強さゆえに、痛々しいものがあります。互いの隙間を埋め合うように愛し合う2人をずっと応援したくなる、そんなお話です。