結婚するしないでストーリーが展開したが書名イマイチ感。電子コミック大賞ラノベ部門エントリー(転生物は異世界と括る分類では?)の中で最も納得し、好感を持てたレビューやコメント類だった。多分にTL。ベッドシーン突入は主に相手の熱意に押し切られ型。
試読時購入後共に文中「べ」が脱字。第二章の主人公の名刺交換シーンに、名前近くの箇所に纏まった抜け有。これは読み辛くて困った。ダウンロード時のこととしても不良品のようなもの。
康介がどれほど素晴らしいかをしつこく描写するのは、この種のノベルのやり方と承知しているが、また、この主人公哲子は美人設定であるが、二人の絵は幼くて頼りなく華奢な感じがして学生風。
彼がダメなら石油王しか、また、もう地球上の男じゃ無理、の表現は、登場人物の弁ということで、こんな言い方する人も居ると思えるが、哲子の眼に映る康介像描写の中の賛辞が、少し鬱陶しかった。
墓参時の鉢合わせシーンからの真優宅訪問シーン、場面転換が唐突で切り替えしにくかった。
不動産会社名と、銭湯仲間の話、作家の好みの音の響きが有ってのことかも、と偶然の一致に受け止めようかとしたら、やっぱりそういう・・、とお話の世界の、強引な狭い世間的展開が、ちょっと鼻白む。
この話、康介の積極性無かりせば、に負ってる。そこ、哲子の、さっぱりキャラと、頑なキャラ、逃げキャラがぶつかって、私は余り共感出来てない。「神出鬼没」と表現される康介の行動が、多忙な筈の人物像と重ならない。行くところ、居るところ、実家、先々全てに鉢合わせ、という点が恐い。先回り的、お見通し的、な点は、優秀さも感じさせるものの、何度も結婚を口にしてくる粘着性を連想させて、なんとも微妙。
床の間って、私は厳しく絶対座ってはいけないとしつけられたものだが、祖母に育てられたのにそれやる?と、康介の無作法には少なからず失望した。
ミドリガメは外来生物で日本固有の亀の存続を脅かすとされるため、責任を持っていきものがかりしている描写は、現実ミドリガメが厄介な存在である微妙な印象ありつつも、飼ったら最後まで面倒を見る、康介キャラのメタファーみたいで巧み。
彼が軽口を散々叩いたけれど、ちゃんと内心は不安であった、との箇所が、有って良かったと思う。
地上げ、わざとらしい作りを感じたがそれでも、マンガ「正直不動産」で読んだばかりの内容を思い出した。