『猫屋敷先生と縁側の編集者』のスピンオフです。犬を飼ってる犬明先生と、猫を飼ってる猫屋敷先生で、名前が完全にギャグだよね(ネーミングセンスどこ行った)と思ってたんですけど、猫屋敷先生はあだ名だったんですね。…と、前作も読んで大好きなシリーズにも関わらず、脳内でずっと猫屋敷先生と呼んじゃってました。
『猫屋敷〜』の本屋敷先生と晶川が、恋愛面でも仕事面でも効果的に絡んでくるのが面白かったです。特に晶川が「猫と執筆活動の因果関係」について顔色を変えたり挙動不審になりながら熱く語るシーンは面白くて、真実か判定のしょうもないけど一理あるような気もして楽しめました。
スピン元は、本屋敷のキャラが強すぎる為にかなり楽しめましたけど、今回は犬明が大人なスパダリなので、面白みという点では弱かった気がします。その辺を補うように色々と設定(関係)が複雑で、キャラ達の関係の複雑さがまんま心理状態にまで影響していたと思います。前回の分かりやすい一本道と違って、曲がりくねった先が見えない不確かさあり、寄り道したり遠回りしたり…少し大人なお話でした。