数年前に布教動画にて『天官賜福』を知り、日本語版が完結するまでの繋ぎとして読み始めた大人気小説。
冒険活劇との前情報からウルトラマン的な必殺技が飛び出す勧善懲悪ものだと思い込み、正直あまり期待していなかったので1巻だけを買い求めたのですが…浅はかでした。
初めこそ難解な世界観にあくせくし理解に苦しんだものですが、義城編ですっかりエンジンがかかり、気づけば全巻買い揃えて2周目に突入していましたとさ(結局3周読んだ)…
大雑把にいうと生と死と、魂や因果応報までをもひっくるめたオカルトチックな大スペクタクル。そこへ執念に象られた愛の物語までもが複雑に絡み合ってくるものだから、軽はずみな言葉では到底この作品の深さを表しきれません。
ただひとつ確実に言えるのは、普段BL小説を読まない人間が夢中で読み終えてしまうほどの面白さと切なさと、溢れんばかりの愛の詰まった作品であるということです。
読み終えた誰もがそうおっしゃるように1巻〜3巻までの恋愛模様としてはブロマンスですが、4巻で急激にBL化しますので、それを目当てに読み進めるのもアリかと。
幾重にも意図の張り巡らされた本筋のストーリーにも回収されない謎はありませんので、これから読む方はどうぞ安心してハラハラドキドキしちゃってください。