シリーズ3作め。1作めの二人が主役なので(結婚している)恋愛関係のあーでもないこーでもないは少ない感じです。その代わりに何で読者を引きつけるかとなると、事件・事故が起こるしかない訳で…ちょっと持っていき方に無理があるかなぁと、思わないでもなかったです。
「純粋無垢」=美点でしかないと思われることでも、時と場合・立場・利害関係によっては、発揮することに危険が伴うんですよね。そして万が一の時には取り返しがつかないし、責任を負えるものでもない。レオンハルトの意見には整合性しかなく、ナザリオの想いも汲んだ王太子としてもただの夫としてもこれ以上はないものと思えました。
ただ、それでもナザリオが我を通してしまうのは、ストーリー展開上仕方ないこととはいえ、「トラブルメーカー」の文字がチラついてしまいました。その後も大方の展開は予想がつきましたし、当たりましたので王道の溺愛ストーリーかと思います。ただ、隣国へ着いてからの展開は読めなくてハラハラしましたし、捻りも効いていて良かったです。