王女様と仕立屋なんて、こんなロマンチックな設定は読まなくっちゃ!処刑が決まった王女様の黒衣を仕立てるという、もう悲恋と王女様を救うためのドラマで盛り上がる予感しかない。しかしその仕立屋ったら口は悪いし腹の中も嫌みな奴。騎士じゃないので戦いもない。最初は仕立屋エドガーは王女レオノーラに恋しているわけでもない。ただ理不尽な死に抗わないレオノーラと救うことが出来ない自分達への苛立ちを燻らせていくうち自身の鎧が剥がれレオノーラへの思いが芽生えていく。剣で戦うなどなく、さすがに地味でしたが一気読みしました。針と糸で闘い王女様を救う。背景の説明も話の運びも上手いです。足りないわけではないですが、表現力でもっと盛り上がった気がします。今後、チェックしたい作家さんになりました。