とても新人作家さんとは思えない出来栄えだったと思います。BL作品ばかりですが、300冊くらい?は読んでる私でも何となく新人作家さんというのは分かります。それなりに高い確率で当たりもしますが、今回は分かりませんでした。あとがきに「以前、賞を取った作品を改稿した」とあったので、より洗練されたのかもしれません。それも納得のストーリーでした。
内容としてはBL部分を抜いたお仕事面だけでも読み応えがあったし、人間関係においてもトラブル対応においてもリアリティがあって、業界は違っても参考になりそうなケースが多くて引き込まれました。
お仕事面は文句なしに良かったけどBL面はいまいち…ということは全然なくて、仕事や人生観に絡めた二人の運命的な繋がりを感じられて良かったです。
内容は濃縮されていて大満足の読後感があるのに文字数は決して多くなく、割とサラッと読めます。後半に麻生視点と高橋視点のSSみたいなのがあったのも良かったです。ただ一つ欲を言えば、同窓会に参加した時のSSも欲しかったですね。できれば具体的な進展を見たかったと思いました。