一冊の中で20年以上の歳月が流れます。なかなか面白い設定です。
ナオは自意識過剰なナルシストで、当初は自分の意のままにカンジとの体の付き合いを始めるわけだけど、
歳を重ねていく毎に衰えだす自分にだんだんと自信をなくしていく。
近くで顔を見られるのが何となく恥ずかしくなったり、褒められても素直に受け入れられなくなったり。
そういう老いへの哀しさにはひどく共感してしまいます。。
そんな時にカンジみたく愛されたり優しくされると、少しばかり自信を取り戻したり。ささいな言葉がやけに嬉しかったり。。。
30すぎてアラフォー迎えるくらいの読者の方だったら、妙にリアリティを感じるようなお話だと思います。