科捜研での鑑定作業の手順や、警察からの鑑定依頼の書類に書かれたこと以外の鑑定はしちゃいけない等、実際の現場を知る人でなければ書けない話。
この作家さんだから書ける話だと思います。
沢口が、報道等の情報から先入観を持ちやすく、鑑定作業も手抜きになりそうになる。しかし、それは事件とは縁も所縁も無い一般人なら許されても、彼女の立場ではあってはならない。
科学捜査官や警察官が先入観を持つことが、真実を歪め無実の人を罪人にしてしまう恐ろしさを秘めている。
だからか、ひたすら真実を見極めようとする真野さんに、惹かれてしまう。
しかし、その真野さんも内に秘めた思いがあるようで、彼の真意が明らかになるのは怖い気もします。