表題作は高校生と教師のお話。
若さ故のストレートさと、大人故の臆病さ。その2つが、見事に融合して切なくて甘いです。
要所要所で鍵となる雪の降るシーンがとても印象的で、ストーリーの世界観によく合っています。静かに距離を進めていくので、夏よりも冬。太陽よりも雪の似合うお話で、色に例えるなら無色透明。もしくは純白。それくらいに澄み切ったストーリーでした。
表題作以外の短編も切ないストーリーなので、読後は「楽しかった!」とはなれませんが、いつもより大切な人に優しくしたくなる、心優しくなれる作品でした。
初めての作者さんでしたが、切ないお話がとても上手くほかの作品も購入してしまいました。