定番の異世界×食なのですが、今作の特徴はなんといっても『ドラゴン』がただのモンスターではなく、天災のような圧倒的な存在でありつつ、肉や油を食用にするなど解体して人が利用しているところです。
なので龍肉料理は現実世界の他のお肉で代用できそうではあるのですが、でもやっぱり、『龍を捕る』『解体する』『食べる』という一連の工程が丁寧に描かれることで『ここにしかない』料理になっていると思います。
今作の魅力はちょっとグロテスクな龍たちと、個性的な『捕龍船』の乗組員たち、それから外国の児童書の挿絵のようなファンタジックかつ繊細な絵で描かれる世界そのものです。
龍肉に並々ならぬ執着を持つミカや、新入りのタキタや、ミステリアスなヴァニーなど主要キャラはみんな好きですが、それを支えるベテラン乗組員たちもいい味を出しているし、立ち寄った港で出会う住民やライバルの船の乗組員たちもそれぞれにプライドや信条があって、世界だけでなく考え方も広がりがあります。
『捕龍船』の乗組員たちは年齢も経歴もバラバラで、ちょっと訳アリだったりするのですが、危険な龍を捕るという仕事を協力しあって、お互いいい距離感で尊重しあっているのが心地いいです。女性キャラたちもちゃんと前線で戦っているのがいいし、男女同居生活ですが変に性別を強調しすぎず、『仲間』としての関係がちゃんと描かれているのが好きです!