お互いがお互いのファムファタールでありオムファタールで、互いを狂わせ合うことしか出来ず、愛するあまりすれ違うどころか何も噛み合わない2人は痛みを伴う破滅の道を歩むしかなくて…。
破滅的な描写が多いので好みは分かれると思います。
薄暗いつらい展開が続きますが、そこには"そばにいたい"という本当に単純なたった一つの願いと、"愛してる"という真っ直ぐな想いしかないんですよね。
アダムに支えてもらわないと一人では歩けないハイヒールを履くユーリ、ユーリに履かせるためだけに呪いの赤いハイヒールを作り続けるアダム。
赤い靴のように止まることができないほど踊り狂った2人の結末がとても明るくとても自由で素晴らしかったです。
途中の狂った雰囲気も好きですが、最後の2人の姿が納得のいく終わり方で本当に素晴らしくて大好きです。
叔父ミハイルのお話もとても好きでした。