人形屋の坊ちゃんと、元男娼の仕立て屋の話。
赤線廃止って出てくるので日本だったら戦後なんですが、そこは詳しく考えず、いつかどこかの、くらいの気持ちで読むのがちょうどいいと思います。耽美と呼ぶには足りないものの、嫌いじゃない雰囲気です。
この作者さんのいくつか読んだ中では、これが一番良かった。
何てったって、育ちの良さがダダ漏れている光属性の坊ちゃんが良いです。ボンボンなんだけど決めるところは決めてきてくれるので、見てるこっちのココロ晴れやか。
ストーリー面は、暗くなる要素は多いものの、さほど深掘り描写は無くあまり重さを感じません。今作では、それが良い方に働いたと思います。
個人的には、せっかくの人形や仕立て屋設定が小道具止まりで、あまり活かされていなかったのが残念です。
ちょっとおまけの星4つ。