悲しくて寂しい重めのお話で苦しくて泣いてしまいました。
あまりにも厳しい現実から目をそらしている二人。
そんな二人が偶然出会って偽りの幸せの中で生活をしているんですが、人のぬくもりやなんの変哲もない家族の愛、そして無償の愛情に気づいてゆくお話です。
なんと寂しい設定か!切なすぎるではないですか…。
偽兄は心がフリーズしてしまっているんです。受け止められなくてね。。。色々と不自然なことがあるはずなのに全て優しい嘘で書き換えてしまうんです。可哀そうでたまらなかったです。
そして、偽弟は自分の利害だけで生きてきた毎日から優しい思いやりを思い出して愛情を抱くようになるんですけど、あこがれてもそれは幻の家族だという事がやっぱり悲しくて心臓シクシクしました。
ラストは幸せになれるので良かったですが。
でも、もう少し心が解けてゆく過程をじっくり読んでみたかったです。心が触れ合う感じとか、向き合う描写とか。想像するだけで震えます…(笑)
後半、からだを求めあうんですが、体の関係はなくてもいいくらい心の結びつきが重要な優しいお話だと思いました。