素晴らしいの一言に尽きます。主人公シオを通じてみる壮大なランドスケープ。この世界の民族や歴史、争い、綺麗事ではない出来事もありますが、俯瞰して見れる、穏やかに引き込まれる物語。私自身どうやってこの作品に辿り着いたのか分からないまま、知り得た幸運に震えます。同時に何故今まで知らなかったのか早く読まなかった事を後悔する作品。司書(カフナ)と言う仕事が魅力的な事ももちろんですが、何より主人公シオの背景と人物が好ましい。めちゃくちゃ努力してるんですよ〜、頑張り屋さん!応援しちゃうでしょ。周りの登場人物達も個性的で良い。「識る事、学ぶ事」を強く諭したお姉さんがまた素晴らしい!3巻までは、カフナ試験に挑戦し結果が出るまでの一区切り。単純に超難関試験に挑む過程が楽しく読める。4巻からはまた新たなシーンに切り替わります。図書館や司書と言う以上に「本」に重きを置くストーリーである事が私には嬉しいです。この先どう進むのか。ファンタジーと言うよりある国の歴史を垣間見るような。設定もしっかり作り込まれており読み応えあります。原作の記載がありますが、おそらくソレも含めてこの作品を作り上げる設定。あまりにも抜かりない作り込みとシオの純粋な挑戦に自然と胸が熱くなり落涙しそうになります。今、1番楽しみな作品です。*現時点の最新刊8巻まで読みました。益々面白く、チラホラストーリーの種が蒔かれているのですが、話が壮大すぎて8巻ではほとんど進んでいない感じ。最後にキレーに繋がってまとまるのは分かっているのですが正直、もう少し展開が欲しい。イチオシなのは変わらないけれど、完結してから読むか、進み方や発刊時期を気にせずゆったり構えて静かに待つか。どっちにせよ絶対に読むけど!蒔かれた種とこの感じだと体感的に最低もう8巻は必要。たぶんそれ以上。だってまだ全然これからだもん!作家さまにはお元気で健やかに描き続けていただきたいの一心です。