最初はとても面白かったし興味深く読んでました。
おそらく大人の事情にいろいろ振り回されたんでしょう、途中で出版社が変わるとか聞いたことないし、4巻あたりから迷走がひどくなってついていけなくなりました。それとも作者の迷走が原因?わからん。
家庭の問題は真修の方にありそうだったのにいつのまにか聡子と母親の問題が前に出てきて、「あれ、聡子ってこんな拗らせ設定だった?」と混乱。真修のひどい家庭環境もばあちゃんの登場で解決したみたいになってるし、一応真修の成長後も父親が出てきてその回収はあったけど「そういう感じではなかったような?」と消化不良。
聡子の行いに対する真修父の怒りも実はそこまでではなく、椎川さんの腹いせが含まれていた…?それはダメでしょ。「見知らぬ大人が勝手によその子供を振り回し、その親に都合のいいことしか言わなかった罰」は、真修の父の「親側の当然の怒り」として、聡子はストレートに受けなくてはいけなかった部分だと思う。それを受け入れ、乗り越えてこそ真修と聡子は次のステージに行けるはず(一応そうなってはいるが、あれこれ迷走しているので説得力が皆無)。
セリフやキャラクターたちの気持ちがひとつひとつ細やかに言語化されていたのはたぶんとても丁寧な仕事なのでしょうが、かなりピンポイントすぎていまいちピンと来ないことも多い中で、話を動かすポイントが後付け(としか思えない)であれこれひっくり返されたためにそれらが宙に浮いた感じで、途中から何を読んでるのかわからなくなりました。ので、結局二人の間にあったものや、二人が出した答えもしっくりこなくて、結末がどうなったのか読み直してみてもやはり入ってこなくて「…で、結局何だったんだろう」しか浮かびません。
弟の名前に「イチ」がついてるとか微妙なくだりの回収があったかどうかもパッと思い出せませんし、ここまで書いたことに勘違いがあるかもしれないけど、それを確認する気も起きない。それくらいの迷走でした。
それでも買い続けたのはやはり真修というキャラクターの魅力と成長を見守りたかったからだと思う。
2巻くらいまでの調子で走り抜けてたら、何度も読み返したくなるような名作になった気がするので、とても残念。