設定は、かなりドラマティックだと思うけれど、読み手を感情のジェットコースターに乗せないところがよいです。
キナコさんの寛容さ、強さ、賢明さって、凄い。ブレない感じ。狡さがない。子供と暮らすって時間もお金もエネルギーも想像以上なのに、タフだし、優しさに溢れてる。
そんなドラマティックな設定の中、粛々と送られる日常に押し付けじゃない思いやりとか優しさがあります。世の中そんなに悪くないねって、どこかほっとさせてくれます。
それから、本編とは関係ないけど、改めて交通事故には、気をつけたい。被害側、加害側に関わらず、当事者だけでなく、家族、周囲の人まで長期的に痛みを抱えて、その世界を変えてしまう。わかっていたけど、この物語の中で、文明の力で便利だけど、人を傷つけることもあることを再認識しました。