ゆるしいろ。紅花で染められた淡い紅色。平安時代、誰にも着用を許された衣服の色。自分を知り、許し、愛し、本当の自分を肯定する。高貴な色なのではなく、誰にでも許された色、というのがグッときます。誰でも望めば蛍に、二宮君になれるということかな。二宮君のような大胆さは持ち合わせていないけど、憧れます。ほんの一歩、それが出来ないのもまた人生だけど。ミステリアスな雰囲気を醸しつつ、エチもあり、すぅっと惹き込まれます。背景を描き込むところと、ないところのバランスがよいせいかな。それぞれの感情やシーンに集中できます。読中、集中できるのは気持ちいいですね。浅田の心の機微もしっかり伝わってくるし。もう、好きなところを書き始めたら止まりません(笑)。 二宮君の親友、大野君。すごく好きです。大野君の一言一言に、想いがあってギュンとする。続編でも登場しているけど、彼を主人公にじっくり読みたいです。