バイオレンスに弱いのでおにくちゃんにちょっと引いてました。でも既刊の2冊を読んでこの作家さんいけてるな? と思いよりバイオレンス色の強いこの表紙も手に取りました。
欲望に従じる獣になる遊び、とてもインテリジェンスがあるエロです。
一見立場がよわいMの方が手綱を握っているのも正解だと思います。攻の情の深さに受は執着以外で応えてあげて欲しいよな…と思わなくもないですが、攻はその執着が欲しかっただろうし、やはり大好きな破れ鍋に綴蓋なのかもしれない。とても楽しめました。
-----以下は愚痴です
BLらしい明るさは確かに希薄かも知れませんが、家にだって薄暗い狭い場所が人間には必要なんですよ…! てそんなん言われても作家自身は嬉しくはないでしょうね。
こんなにうまくなったのにこの作家のいる場所を作れない雑誌にちょっとがっかりしてしまう。かといって伸び伸び他者の目を意識しない作品を垂れ流してゆくのも寂しい。
作家の葛藤が見たいというのも図々しい話で申し訳ないのですが、BLていう過剰さが特化されたジャンルでこの作家が活かされなかったのはほんと寂しいことだなと思いました。