大学進学で幼馴染みだった一仁とルームシェアすることになった夏川。違う高校に進んだ一仁とは少し疎遠になっていたけれど、多忙な両親と妹の世話でオカン男子だった夏川と高校球児の爽やか男子だった一仁の同居は思いの外順調で、夏川は「彼女ができたら遠慮なく言えよ」なんて一仁に言っていた。
幼馴染みの一方がずっと恋心を秘めているという作品は王道で、この作品もその路線を真っ直ぐ辿っていく。ただ、幼馴染みとしてニコイチな絆を築いていたわけではないのが新鮮だった。
知らない時間があったからこそ募る想いも淋しく思う気持ちもあり、ヤキモチや独占欲の高まりも微笑ましい。
幼馴染みや親友から想いを告げられた側がドギマギして空回り、ドタバタしたり騒いだりする作品はあまり好みではないから、夏川がそういうタイプではないのも良かった。
作者さんの初コミックということで、BLとしては入門書のような作品。読みやすい分、エロさはほぼ無い。