絵は上手いけど、解釈と残念点が強くてもったいない作品。3話でサブナク城にメテオを落とすときの表情、中学二年生が必ずかかる病気みたいな表情してますよね。リアリスト、成人済み、インテリ研究者スペックがそんな表情するかな。それくらいで感情うごきます?無じゃありませんか?と気になってしまいました。
また、城下町作りに際して、たぶん碁盤目(ごばんめ)状と言いたかったんだと思うけど、基盤目(きばんもく)状と、ご丁寧に誤字のフリガナまで振ってあった。辞書もひいて、ネットもいくつか調べたけど、そんな言葉は存在しなくて、何だかなあ。
極めつけは、土方歳三。確かに新撰組は人斬り集団とは言われていたけど、土方歳三は新撰組内でも穏健派。人斬りという冠頭詞が定型化してる人物なら、人斬り抜刀斎と呼ばれた河上彦斎、岡田以蔵あたりじゃありませんか?土方さんに失礼よ。
三国志からの引用話でも梟雄と使われているけど、日本で梟雄というと主に松永久秀を指すので、三国志の比喩には使われない。小学生が難しい本を読んで新しく知った単語を適当に使ってるようなめちゃくちゃ感がある。
近年は有識者でなくとも、インターネットを少し調べればわかるのに、その手間すら惜しいのか、と原作者にガッカリしてしまいました。作品テーマに関しては面白いところがあるだけに、こういう小さいけれど致命的な欠点が大変もったいない。細部まで徹底してこそ名作たり得るので、名作になり損ねてる。上記三点だけで、星マイナスくらいだけど、作品として面白いところもあるのと、コミカライズ作者さんが上手いので、作画に星5と相殺しての評価。