画家×京都のボンボン美術教師のお話。大きな問題も当て馬もなく、十年来の親友の頃から変わらない仲良しな二人の穏やかな日常をただ見守る、そんな作品です。
日常といってもテンポよく進むし、攻めと受けのやり取りが漫才のような面白さがあります。
攻めがとことん一途なのもすごく良いのですが、受けのストレートに気持ちをさらっと伝えられるところが更に良い!受けのおばあさんも良いキャラしてます。
お互いを拠り所にしつつ依存もしすぎない、二人のつくる空気がとても素敵です。親友と恋人の境目があやふやでも焦らずに歩み寄ってるのがめちゃくちゃわかる。きっと二人は何十年とこれから歳を重ねても変わらないんだろうなと安心して読めます。
美術という題材を全く蔑ろにしていないところも個人的に高評価です。特に絵を描くシーンが丁寧でとても良い。
物語には大きな盛り上がりが必要だ!という方は物足りなく感じるかもしれませんが、作者様らしい心が穏やかになる作品なので、まったり楽しめるBLをお探しの方はぜひお手に取ってみてください。