同人誌の電子配信のようで、前後編とも70ページ未満。そこに表題作とは別の短編も収録されているため、表題作は全部集めて100ページ行きません。
表題作は、表向き孤児院の修道院で少女達が春を売らされる、狂った閉じた世界とその中で生きようとする少女達の話。友情とか憧れとか、どんな汚濁の中にも可憐な花は咲く、という風情は好きです。ただ、いかんせん短かった。あのラストにするには、エピソードが足りない。これはもっと長く群像劇っぽいのが見たかったです。
「選ばれたジェントルだけが来られる場所」みたいな事を言ってたおっさんが全くジェントルじゃない下衆だったところが良かったです。
後編の方に収録されている『ブライトモーニングスター』が一番良かったです。終わらせ方がすっきりし過ぎな感はあるのですが、ちょっとレトロな舞台設定で和装の姉妹に婚約者と嘘とが絡んでるという、個人的好き要素盛り沢山でした。これが星4つ。
前編に同時収録されていた短編『雷と砂の雨』は、嵐の中で寄り添った訳アリな二人の話。これはもう一歩。
2023年1月現在、読み放題に入ってます。